お気に入りの場所

夕景

本格的に暑くなる前に、一度、川とか山を歩きたい。
 (すでに本格的に暑いか)


それから、今年こそホタルを見たい・・・


と、思うことだけは思うのだが、私はどうにも出無精で、なかなか一人では出かけない。


予期せぬ引越しで、右も左もわからない東京にやってきた。
 (過去に東京に来たことは、修学旅行から家探しを含めてじつにたったの4回だった)
おなじみの場所がなくなった。


京都だったら、好きなお寺や好きな川、好きなお店に好きな通り、好きな木や家もたくさんあった。
車で出かける先にも事欠かなかった。
亀岡、美山、大津・・・
美しい山里や湖が、すぐ手の届くところにあった。


もちろん、東京にも面白い場所はたくさんある。
行ってみたいと思う場所は、どんどん見つかる。
むしろそういった場所がありすぎて、広すぎて困ってしまう。
それから人が多すぎる・・・


そう思っていたけれど、最近ふと気がついた。
なんだかんだと言いながら、今の場所でも、確実に「お気に入り」と言える場所がひとつ、できていたことに。
それは、最寄駅周辺の夕方の風景。


黄金色に輝く夕陽、夕方の空の濃いブルー。
ミラービルが互いの姿を映しあう街が、際立って美しい瞬間。


行き交う人にも、なんとなく親近感をおぼえたりするように。
他人ばかりだった街だって、3ヶ月も暮らしていれば、なんとなく地元意識が芽生えてくるものらしい。


私は、今までに暮らしたどの街も、とても気にいっている。
どの街にも、機会があればもう一度住みたい、永住しても良いと思っている。
過去に暮らした街のどれかに、いつか帰りたいと思っている。


いつかここを離れるときにも同じように、いつかまたここにも帰ってきたいと、そう思うようになっているのだろうか・・・