検査結果:甲状腺機能亢進症


先日、手先がひどくあれたので(冬でもあまり荒れないのに)皮膚科に行った。
診察の際、皮膚科の医師が私の手を触ったときに、ピンとくるものがあったらしい。
いくつか質問された。
その結果、


 「甲状腺の機能が高まっているような感じなので、一度、内科で検査をうけては。」


と言われた。
甲状腺??ってどこだっけ。


さっそく隣にある内科を紹介してもらって、血液検査を受けたのが水曜日あたりのこと。


今日結果が出て、ちょっとした持病が発覚した。


甲状腺機能亢進症]


読んで字のごとく、甲状腺の機能が亢進していて、代謝が異常に活発な状態になっているらしい。


病気といっても、とくに禁止事項もないし、何処が痛いということもない。
気長に薬を飲み続けるだけ。


症状としては、疲れやすい、頻脈、入眠困難、暑がり、イライラしたり、気分が沈みがちだったりも・・・
代謝が高いということは、普通よりエネルギーをたくさん消費するわけで、食欲が増進したり、甘い物が食べたくなる場合が多いとか・・・


・・・・・今から思えば、どれも思い当たるものばかり。


 (食べているのにどんどんやせてしまう、という症状だけは、まったく当てはまっていないが。^-^;)


なので、検査結果が出る前から、異状があるのは間違いないと、自分では分かっていた。


はじめは少しショックを受けたけど。


最低2〜3年は、毎日薬を飲みつづける必要があるということで、今まで持病もなければ常用している薬もなかった私にとっては、かなりの負担に感じられた。


蓄積されていく薬の影響を考えて、「早く子供産んどきゃよかったのかも」と思ったりもした。


けれど、その後自分で調べたところでは、最近はいい薬もあるし、きちんと管理すれば、妊娠・出産時も問題はないとされているようだ。
ほっとした。


(余談だが、自分の病気について調べるというのは勇気の要る作業だった。問題ない、と書かれていると、救われた気持ちになったものだ。逆に、根拠もはっきりしないのに不安をあおるような内容がかかれていると、心無い行為だと感じられた)


それに、私は今のところ、近いうちに子どもがほしいとは思っていないので、これから数年かけて治療ができるということは、間に合う可能性も高いということだ。


今わかってよかったと思う。


 ・ ・ ・


ところでこの病気、ストレスが症状に影響することが多いらい。
どうもはっきりとはしないみたいだけど。


それで、ストレスのたまるようなことは避けるようにと、医師に言われた。


しかし、私は普段、ストレスを意識しない人間だ。
おとなになってから「最近ストレスたまってるな」と思ったことがない。
決して、ストレスを感じないとか、全く無いというわけではない。
まったく無い人なんて、いるわけがないし。


けれども、少なくとも、高校卒業後に実家を出て、誰に何を強制されることもなくなってからは、どうしようもないストレスを感じることは、ほとんどなくなった。
だって、誰に何を強制されているわけでもないんだもの。


それに、その頃からいつも、自分は恵まれていると思っている。
「うらやましいわ。」と人に言うより、言われることが多い。
運も良いほうだと思っている。


実際にそうなのかは、わからない。


自分でもおめでたい人間だと思う。


おめでたい人間でありたい。そして、実際にそういられることはしあわせなことだと思っている。


なので、[休む][ストレスを減らす]といっても、何をどうしていいのか分からない。


今回のことは、自分のことを見つめなおす良い機会だったのかもしれない。


 ・ ・ ・


今から思えば、病気の症状のいくつか(筋力低下や暑がり、イライラ)は、ここ数ヶ月、あきらかに重くなっていた。


彼と出かけても、すぐに座って休みたくなったり・・・
彼にも「最近疲れがちやな。」と指摘されていた。


それを私は、
「最近あたたかくなってきたからな・・・運動不足だし、いよいよ体力が落ちたのだ」
 (私はもともと夏が苦手、運動も苦手)
としか思っていなかった。


病気だったと分かって、あれこれ考えてみた結果、ここ数ヶ月というのは、東京に引越してきてからと重なっていることに思い当たった。


東京に引越して来たことは、たしかにかなりのストレスだった。
そのことが症状に影響したのかもしれない。


私にとって何の基盤もない、まったく知る人のいない土地。
引っ越した直接の原因は、夫の転勤だった。(その頃のことはその頃書いたような)
「私が”行く”と決めたわけではない」という思いが、長いこと消えなかった。
私は夫と生活を共にすることを疑いなく選んでいたのに、それでも、ことあるごとに納得がいかないと思った。
東京はそれほど遠かった。


実家から遠く離れることも、私にとって大きな問題だった。
情けないことかもしれないけれど・・・
それまで住んでいた京都からだと、好きな時間に、自分の車で、2時間ほどで気軽に帰れたけれど、東京となるとそうはいかない。
費用の面でも、前は5000円(高速代)くらいだったのが、新幹線を利用すると6万円に跳ね上がる。(往復×2人)
夜行バスや、車で帰ればと提案してくれる人もいるが、夜行バスはとても疲れるし、時間的にも無駄が多く、自家用車は軽なので600kmの道程はとてもきつい・・・
今後は年に一回帰れれば良いほうということになるだろう。


それに、彼の仕事の都合上、都心に住む必要があった。
郊外ならばまだしも、都心となると、生活コストが跳ね上がる。
家賃、物価、交通費・・・従来とくらべても、数割増しは確実だ。
なのに、給与のベースアップは一切なしということだった。
 (その後、通勤手当という形で収入が増えることになり、家賃の負担が増えた分をカバーすることが出来たけど)


結婚3年め、そろそろ住宅取得や子どもを持つことに対して前向きになれそうな気がした矢先のことだった。


 ・ ・ ・


しかし、落ち着いて考えてみると、また違った面が見えてきた。


それは、東京に来たからこそ、病気がわかったのだということ。


先にも書いたけど、今、病気がわかってよかったと思う。


あの皮膚科の先生にかかったから、病気が判明したわけだから。


京都に住んでいる間にも、皮膚科や婦人科にかかったことがあったけど、その時点では甲状腺の異常はわからなかった。
(あきらかにその頃から異状はあったのだけど。今よりは症状は軽かったけど)


今回は患部が指先だったので、皮膚科の医師が私の手に触れたことが幸運だったのかもしれない。
私の手が熱かったのでまずピンときたらしいから・・・


また、症状が重くなったから判明したともいえる。
これは明らかに引越しのストレスが原因で・・・自覚していたストレスだけでなく、自分でも気付かないところで様々なストレスを受けていたのだと思う。


ともかく、東京に引越してきたことが、病気の発見につながった。


そう考えると、決して悪かったのではないと思えてきた。
やっぱり、来てよかったんだと・・・来るべくして来たのかもと。


決して、東京に来たから病気になったのではない。
また、一時的に症状が重くなったことが、悪かったとは言い切れない。
気付かないままでいるよりは、良かったと思うから。