引越す人。


もうすぐ引越す人とお茶していろいろ喋ったり。
今はmixiやblogがあるから、離れてもつながっている感じ。
たまにしか会わなかった人とは最初はあまり変わらないくらい。
でも直接伝えたいことがある。
今日会えてよかった。
うれしかった。


さみしいのはそれだけこの街を愛した証拠。
変わらず暮らせば引越し先の街がまた離れがたくなる日が来るはず。
よそ行き気分で歩いた街が、ある日自分のものだと感じる。
半年先か1年か、必ずそんな日がやってくる。
たとえば2度目の桜の時季に。


私もこの街の桜は2度目。
そろそろ枝先から開き始めた。
花をみて季節を感じる、時の流れを実感する。
たゆみなく。淀みなく。決して戻らない流れが見える。
普段相対的に感じる流れが、じつは絶対だったと気付く。
望もうが望むまいが明日は来るし春も来る。
戻らないことを、叶わないことを、留まれないことを悔いる花はない。
今は小さな花にさえ打ちのめされる。
強くなろう。


これまでじつにたくさんの出来事を忘れて生きてきた。
どんなに楽しかったことも、つらかったことも、いつかそれ以上の経験が上書きされて。
これからもそんな毎日を過ごしていたいから、「忘れない」という保証はできない。
だから必ずまた会おう。


お礼と少しの強がりで送り出す。


改めて感謝と尊敬の念を抱き、再会を期して。