ピカソ堪能

ピカソ展チラシより



ピカソ展 − 躰[からだ]とエロス −]


 →http://www.p-forme.jp/


昨日に引き続きピカソ鑑賞。


今、都内では2つのピカソ展が同時開催中だ。


損保ジャパン東郷青児美術館での[ピカソ展 幻のジャクリーン・コレクション]と、東京都現代美術館での[ピカソ展 − 躰[からだ]とエロス −]の2つである。


[幻のジャクリーヌ・コレクション]展では、油彩画、彫刻、水彩、素描など119点の公開作品のうち、1点を除いて全作品が日本初公開と言われている。
ピカソの最後の妻であるジャクリーヌが、ピカソの死に際して相続した膨大な作品の中から、1920年頃(ピカソ30代:キュビスム初期)〜最晩年までの作品を中心に構成されている。


[躰[からだ]とエロス]展では約160点が展示され、うち日本初公開は94点。
こちらは、1925年から第二次世界大戦前の1937年までの作品群で、[ジャクリーヌ・コレクション]展よりさらに短い期間を掘り下げたような構成になっている。


どちらの展覧会も点数が多くて内容も豪華。
このような規模の展覧会が同時開催とは、さすがは東京と思うことしきり。


心に残った作品は多々あるけれど、今回私が最もひきつけられたのは、1927-1929頃の作品にしばしば登場する、円い穴のような目を持つ人物達だった。
おそろしく無表情な欲望や攻撃性・・・
無為で虚無的なあの円い目に、自分の心が映っているような気がしてぞっとした。


他に面白かったのは[ジャクリーヌ・コレクション]展での、鉛筆やインクで描かれた、無彩色の習作や落書きのような作品たち。
的確かつ生き生きとした線で構成された小さな作品達は、美しいことはもとより、見ていてとても楽しかった。
漫画に近い感覚でとても面白かった。


2日連続で、あわせて300点以上もの作品を鑑賞して、まさに「おなかいっぱい!」という感じ。
それに、両展ともカタログを買ったので、それだけでもかなりピカソ通になった気分。
 (先日、森美術館での[COLORS]展でカタログを買わなかったことを後悔したので・・・)


両日とも、鑑賞後はクタクタに疲れてしまった。
美術展は立っている時間が多いし、貴重な美術品や他の客に囲まれて鑑賞するために気を張ってしまう所為もあるのか、とても疲れる。
中でもピカソは疲れる気がする。


見ているときはとても楽しいんだけど。